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一流ダーツプロになるために必要なのは才能か努力か(前編)

超一流になるのは才能か努力か?

前回、『トレーダーの精神分析』という本がダーツの練習を考えるのに役に立つのではないかとご紹介しましたが、今回はさらに具体的に役に立ちそうな本を紹介してみます。それがこの『超一流になるのは才能か努力か?』という本。

もちろんこういうタイトルで本を出してくるのであれば、「才能ではなく努力だ」という結論となっていることは予想がつきます。ただし重要なのは、その努力が適切で、なおかつ相当の分量を行わなければならない、として、その内容について論じていることです。

 

deliberate practice(究極の鍛錬)

「deliberate practice」が本書でのキーワードとなっています。なお、「限界敵練習」と訳されていますが、日本語的に微妙なので、他の本でこれについて書かれた「究極の鍛錬」という言葉を使うことにします。本書はざっくり言ってしまえば、各分野のトップにいる人間はなぜそのスキルを身につけることが出来たのか?という問いかけをし、その結論として、意図するしないはともかく、「deliberate practice」と呼ばれるもの、もしくはそれに近い練習法を行い、長い年月に渡り練習を積んできた結果であるもの、と結論づけます。そして、多くの「生まれ持っての才能」と思われているものの多くも、じつは練習の成果であるとします。

 

deliberate practiceを継続すれば誰でも世界一になれる?

もちろんすべての分野で何歳からでも世界一になれるということは言っていません。人間は老化に伴い各種の機能が衰えますし、バレエや音楽など、子供の頃からやっていなければかなり不利なものもあるということは勿論そのとおりです。

重要なのはそこではなく、人間は適切な練習を行えば、いつどこからでも上達できる、そして上達の頭打ちというものはなく、人間の能力に限界はないということです。

 

deliberate practiceとはどういう練習法か。ダーツに生かせるのか

もちろんこの本は特定の競技に限定した本ではないので、ダーツについてなど殆ど書いていません(´;ω;`)。ですので、まずは原則を紹介して、それをダーツにどう生かせるか考えてみます。

まず本書では、deliberate practiceの前に、従来の、漫然と行う練習を批判します。テニスでもなんでも、ある程度のスキルがついてゲームを楽しめるようになってしまうと、一見上達が頭打ちのようになってしまうと。…これはまさに、僕が昔一旦ダーツをヤメてしまった時と同じです…。

一般的に、何かが「許容できる」パフォーマンスレベルに達し、自然にできるようになってしまうと、そこからさらに何年「練習」を続けても向上につながらないことが研究によって示されている。むしろ二〇年の経験がある医者、教師、あるいはドライバーは、五年しか経験がない人よりやや技能が劣っている可能性が高い。

そして、その状態に陥らない、抜け出すためにはdeliberate practiceが必要と言っています。そしてdeliberate practiceとは、まず第1に「目的のある練習」だと言うことです。「目的のある練習」は、愚直になにかを繰り返すだけの練習とは違う、幾つかの特徴があります。

 

「目的のある練習」の四つの特徴

目的のある練習とは

  1. はっきりと定義された具体的な目標がある
  2. 集中して行われる
  3. フィードバックが不可欠
  4. 居心地の良い領域(コンフォートゾーン)から飛び出す

という四つの特徴があります。ダーツに当てはめて書いてみましょう。

はっきりと定義された具体的な目標がある

ここでの目標というのは、「PDCプレイヤーになる」「PERFECTで優勝する」というような漠然とした大きな目標ではなく、その練習ごとの、達成可能な目標です。ダーツで言えば、漫然とカウントアップでブル練習をしてアップ、その後クリケットカウントアップをやって、オンライン対戦…というように、なんとなくのルーチンとした流れだったり、「何も考えずにひたすらブルに入れる」というようなものでもなく、例えば「HATを20回出す」「クリケットカウントアップで3.5以上」「20Sに10連続入れる」というような目標を立て、それを達成できるかどうかを判断します。このような目標がないと、その日の練習がうまくいったのかどうかを判断することが出来ません。

目的のある練習で一番大切なのは、長期的な目標を達成するためにたくさんの小さなステップを積み重ねていくこと。「レーティングを上げたい」と考えるのは全体目標として構いませんが、もっと細かく分割して課題を出す必要があります。

 

集中して行われる

漫然とブルを狙うだけのカウントアップを繰り返していたり、合間に漫画を読んだりスマホゲーをやりながらの練習ではいけない。やるべき目の前にある作業に全力て集中しなければ大した成果は得られないということです。これはつまり、ダーツバーで飲んだりおしゃべりをしながら和気あいあいとやる練習だけではだめだということです。

 

フィードバックが不可欠

自分がやるべきことが出来ているか、できていない場合はどこが間違っているかを把握することが練習には必要不可欠です。ダーツが外れた時、スローのどの部分が駄目だったのか、フォームのどこが崩れていたのかなど、特に初心者のうちは自分では全くわからないと思うので、それを指摘してくれる人がいないとフィードバックを得ることは難しいでしょう。

 

居心地の良い領域(コンフォートゾーン)から飛び出す

これが「目的のある練習」でいちばん大事な部分であると言われています。自分にとって勝手の分かった領域、自分のやれることだけをやる練習では上達が止まってしまいます。本書ではこの部分で、

ティーンエイジャーの頃に数年間ピアノレッスンを受けた後、30年間同じ曲を同じやり方で繰り返し弾きつづけてきたアマチュアピアニストは、たしかに1万時間分の「練習」を積んだかもしれないが、30年前と比べて全く上達していないはずだ、むしろ下手になっている可能性のほうが高い。

と書いています。これはAフラくらい(単なる例なのでAAでもBBでもいいです)に上がった後、漫然としたブル練習・対戦をしているだけの人にも全く同じことが言えるのではないでしょうか。ブルが入るようになってくれば楽しいですし、HATが連続できれば優越感もあるかもしれませんが、「できること」をやるばかりでは意味がありません。

あえて自分がギリギリできるか出来ないかくらいの目標設定をおこない、それを日々の練習で真剣に集中して目指していく、ということが必要となってきます。

 

壁に当たった時の解決策

この「目的のある練習」を続けていても、スキルの上達というのはある点で見かけ上上がらなくなり、プレイヤーのモチベーションに悪い影響を及ぼします。そのようなときに壁を乗り越える方法として、「もっと頑張る」ではなく、「別の方法を試す」ことであるとします。

本書ではピアノのレッスンや数字暗記の話などを例にしていますが、ダーツで言うなら、例えばハードを投げてみたり、ブル練習、20T練習だけでなくダブルの練習や「121」などの実践的練習をするなどがあげられるでしょう。

 

「目的のある練習」だけでは限界がある

この素晴らしい、しかし大変な「目的のある練習」ですが、「目的のある練習」=「deliberate practice」ではありません。あくまでその一部分なのです。この「目的のある練習」だけでも、能力の伸びに限界が出てきてしまうといいます。

では、その限界を突破するためには何が必要なのか?deliberate practiceの次の段階とはなんなのか?それは… 次回に続きます(っ´ω`c)

もしくは本書を読んで自分で考えてみてください。超おすすめです!