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スポーツ技術習得に関する研究から考える一つ上のダーツ練習方法

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トレーダーの精神分析

 

ここ数日、この『トレーダーの精神分析』という、投資に関するメンタルの本を読んでいました。内容はタイトル通りトレードに関する本なのですが、プロアスリートについての研究などを例にあげ、それをトレーダーに当てはめるというような形式を取っているために、思いもかけずダーツプレイヤーとして役立つ内容も多く含まれていました。

読み放題サービスの「Kindle Unlimited」にも対応しているので、ぜひ皆さんにも読んでほしいと思います。

ラバリー博士の調査

さて、その中で今回取り上げるのが、トレーダーのスキル上達に関して書いた部分で、キャリアトランジション(アスリート引退後のキャリア転換)の第一人者であるというデビッド・ラバリー博士の、スポーツ技術習得プロセスに関する調査結果(2004年)が取り上げられています。これによると

  • 一つのスキルの集中練習よりも、多様なスキルの同時練習のほうが効果的である
  • 時間を区切った整然とした練習より、いろいろな技術が要求されるランダムな形式の練習のほうが効果的である
  • 初心者には質的なフィードバック、上級者には具体的な数字を示したフィードバックのほうが効果的である
  • 初心者には頻繁なフィードバックが必要だが、上級者にはむしろ逆効果である
  • 顕在学習よりも潜在学習のほうが心の干渉の影響をあまり受けない

との調査結果が出ているようです。

調査の重要なポイント

この調査結果について、特に上の2つについて本書でまとめている部分が重要です。要約とともにダーツについても考えてみましょう。

 

この調査結果の最も重要なポイントのひとつは、多様な状況における練習はひとつの状況下での練習よりも効果的であるという結論だ。

テニスを例にすると、正しいバックハンドの打ち方を練習するとき、ひとつの場所だけにボールを出すのではなく、選手たちがボールの来る場所を予想し、またフットワークを鍛えられるようにコートのいろいろな場所にボールを出す。さらに選手たちが実際のゲーム感覚を養えるように、ときにフォアハンドのボールも出す。一見するとこうしたトレーニングはーカ所にボールを出してバックハンドだけを練習する方法よりも効率が悪いように見えるが、どのようなボールでも打てるように練習していれば、実践的なゲーム感覚が自然に身についていく。

また時間を区切って別々のスキル練習をするよりは、同時に多様なスキルを練習するほうが効果的である。

ラバリー博士たちの調査結果によれば、確かにいろいろなスキルを同時に習得しようとする練習は最初はあまり効果が上がらないが、選手が多様な状況下に置かれるとその成果が次第に顕在化してくる。

逆に言えば、同時にいろいろなスキルの練習をしても、選手たちは一度身についたスキルを忘れることはない。テニス選手がボールマシンの前に立ってバックハンドだけを練習していれば、実際の試合ではとっさに予想してボールの場所に向かうことはできなくなる。

単純に一つ一つのスキルを個別に練習して鍛えるより、実戦を想定していろいろな状況に対応できるような練習が必要。ダーツで言うならひたすらブル練習などのことでしょうか。そう考えるとやはり以前に記事にしたような、海外のハードダーツの練習方法は実戦を想定したようなものばかりで、優れていることがわかります。

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他のスポーツとダーツの違い

ここでちょっと考えたいのが、このテニスの例などと違って、ダーツにおいてはブル練、T20練などは、実戦とはそうかけ離れたものではない、ということです。ひたすら同じコースに来るボールを同じように打ち返すことはテニスや野球の実戦では役に立たないかもしれませんが、ひたすらブルに入れたり、ひたすら20Tに入れるというのは、ダーツにおいては実戦…たとえばファットブル701やセパブル501などに近い練習です。そういう意味では、ブル練、T20練などは実践的練習のカテゴリにいれてもいいのではないかと思います。

 

アレンジとチェックアウト

ただし、ダーツのゼロワンにおいては「削り」だけではなく、「あがり(チェックアウト)」と、そこに至るための「アレンジ」がとても重要です。どんなに早く削っても、上がることが出来なければ追いつかれ負けてしまいます。

そしてこのチェックアウトとアレンジとは一体であり、さらには実戦では素早く行わなければいけないことを考えれば、これらの練習もできれば実際のゼロワンの中で行いたい。そう考えるとやはり「121」は優秀な練習ですね…。ハードは勿論、モチベがあればソフトの筐体でもやればいいのですが、やはりなかなか続かない人も多いでしょう(;´∀`)

そこでせめて、ブル練習や20T練習を、カウントアップやクリケットを使うのではなく、301や501など、短いゼロワンを使って行うのをおすすめします。アレンジも頻繁に起こるので勉強になるはず。ただし、漫然と40,36,32残しを狙うのではなく、アレンジ表を持ち込むなどして、真面目に取り組むのがいいでしょう。

 

クリケット

クリケットに関しては、「練習と実戦が同じ」とも言えないですね。20Tはゼロワンでも練習するのでともかく、19-16とブルをどう練習するかです。一般的にはカウントアップでひたすら同じ数字を打ったり、クリケットカウントアップを使う練習が多いですが、それも結局同一ラウンド3本同じ場所を狙うわけですし、イマイチという気がします。

というわけで、これらのナンバーの練習も、「同じ場所を3本狙う」ではなく、実戦にありそうなシチュエーションを想定して色々な場所に投げる、という方が良さそうです。

例えば20>20>19や19>19>20は序盤に見られる打ち方ですし、20を絡めたクローズを意図したホワイトホース狙いや、下の数字2本からの上の数字クローズのワンチャン狙いなど、色々な狙い方が考えられます。

そしてブル絡み。これも必要でしょう。クリケットはいろいろな場所を狙った最後にブルを打つ、もしくはブルでオーバーした後に3本目をトリプルに行く、という、ゼロワン練習ではあまりないパターンでブルを狙う必要があるため、上級者でもブル精度が落ちることが多いですですので、やはり実戦に多いシチュエーションでの練習は必要でしょう。

例えばブル2本入れての15、16狙いだったり、プッシュからのブルを想定して、2本めがシングルブルだった時にプッシュに戻る動きなど、「ブルを3本狙わない」シチュエーションを多くこなすようにしたいところです。

 

クリケット練習の裏技、ソロ対戦

実践を想定すると言っても、なかなかぱっとパターンが思いつかないかもしれません。そこで練習に良いのがソロ対戦。一人二役で対戦を行います。ゼロワンだとあまりこれに意味はありませんが、クリケットではまさに実戦によくあるパターンを全部一人で再現できます。

もちろんカードを指してしまうとレーティングが上がってしまうので、これはカード無しで行いましょう。

 

まとめ

まず、すべての原則に置きたいのが「実戦を想定した練習をする」ということ。ゼロワンのためのブル練や20T練にはカウントアップではなく、短めのゼロワンを使い、アレンジとともに練習をする。

そしてクリケットでは同じところに三本打つナンバー練習よりも、実戦によくあるシチュエーションを想定して、違うところに打つ練習を行う。

勿論これはソフトダーツのゲームを使った練習方法なので、それにこだわらずにソフトのボードでハードと同じ練習ができるモチベ・根気があるなら、それが理想。

この三点を頭に置きつつ、自分なりの練習メニューを組み立てていくのが良い、ということでしょうね。カードというシステムがあるとどうしてもスタッツやアワード、ゲームごとの最高点(特にカウントアップ)などを気にしてしまうと思いますが、それにとらわれないことが重要です。

2017年、ひとつストイックな練習をやってみる年にするのもいいのではないでしょうか?

 

なお、今回取り上げた「トレーダーの精神分析」は、メンターとの関係や目標の立て方、練習メニュー作り方など他にも面白いことが多く書いてあるので、年末年始にお暇なら是非どうぞ。

 

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